🧒 作曲の背景
交響曲第14番 イ長調 K.114 は、
1771年12月、モーツァルトが15歳のときに作曲された交響曲です。
この作品も、父レオポルトとともに行った
2度目のイタリア旅行の帰路、ミラノで完成されたと考えられています。
《アルバのアスカニオ》の初演後に手がけられた本作は、
交響曲第13番と同様にイタリア様式を取り入れながら、
より洗練された構成と華やかさを持ち合わせています。
🎵 楽曲の構成
この作品も 4楽章構成 を採用しており、
明快な旋律と軽快なリズムが魅力の一曲です。
- 第1楽章:Allegro moderato(イ長調)
陽気で軽やかな冒頭主題。
ソナタ形式で展開され、技巧的なパッセージも散見されます。 - 第2楽章:Andante(ニ長調)
穏やかで流れるような旋律が印象的。
弦楽主体の落ち着いた雰囲気が広がります。 - 第3楽章:Menuetto(イ長調)とTrio(ニ長調)
きびきびとしたメヌエットに対し、
トリオは対照的に柔らかく親しみやすい旋律が魅力です。 - 第4楽章:Allegro(イ長調)
活発で快活なフィナーレ。
若さと創意が感じられる、勢いある締めくくりです。
🎻 編成
- 2本のオーボエ
- 2本のホルン
- 2本のファゴット(補強的に使用される)
- 弦五部(ヴァイオリン I・II、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)
※ 第2楽章では木管が省かれ、
弦楽の繊細なアンサンブルが際立ちます。
💡 特徴と聴きどころ
- イタリア滞在中の様式的影響が色濃く現れた作品
- 明るく、親しみやすい旋律が多く、聴きやすい構成
- 特に第1楽章と第4楽章では、モーツァルトの若さと技術の成長が感じられる
- 第2楽章の内省的な美しさと、第3楽章の舞曲的な楽しさの対比も魅力的
この作品は、モーツァルトが交響曲作曲の技術を磨いていた時期の成果のひとつで、
若さに裏打ちされた伸びやかさと、構成の巧みさが両立しています。
🎧 おすすめの演奏
- トレヴァー・ピノック指揮/イングリッシュ・コンサート
当時の奏法と楽器による、軽やかで歯切れの良い演奏が聴けます。 - ネヴィル・マリナー指揮/アカデミー室内管弦楽団
バランスの良い解釈と安定感が魅力。親しみやすさが際立ちます。
📝 まとめ
交響曲第14番 イ長調 K.114 は、
モーツァルトがイタリア滞在中に得た音楽的経験を活かして書かれた、
初期の交響曲の中でも完成度の高い作品です。
若き日のモーツァルトの、
作曲技術の成長と感性の豊かさがよく表れており、
聴く人を明るい気分にさせてくれる魅力があります。
初期交響曲に親しむ第一歩としても、
またモーツァルトの成長をたどる上でもおすすめの一曲です。


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