🧒 作曲の背景
交響曲第16番 ハ長調 K.128 は、
1772年5月6日にモーツァルトがザルツブルクで完成させた作品です。
このとき彼は16歳。
わずか1週間ほどの間に作曲されたと考えられており、
集中力とインスピレーションの高さがうかがえます。
前年までのイタリア旅行を経て、
モーツァルトの様式はより洗練され、
この交響曲では、明快な構成と力強い推進力が融合しています。
🎵 楽曲の構成
交響曲第16番は 3楽章構成。
ハ長調らしい晴れやかで堂々とした雰囲気が全体を貫いています。
- 第1楽章:Allegro maestoso(ハ長調)
荘厳で堂々とした冒頭。
ファンファーレ風のモチーフが繰り返され、
交響曲としてのスケールの大きさを感じさせます。 - 第2楽章:Andante grazioso(ヘ長調)
優美で柔らかなメロディが特徴的な緩徐楽章。
弦楽器主体で、木管が使われないことにより、
しっとりとした親密な雰囲気が広がります。 - 第3楽章:Allegro(ハ長調)
軽快なフィナーレ。
跳ねるようなリズムと、推進力ある展開が爽快です。
若きモーツァルトの明るさと才気が全開の楽章です。
🎻 編成
- 2本のオーボエ
- 2本のホルン
- 弦五部(ヴァイオリン I・II、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)
※ 第2楽章では管楽器が省かれ、弦楽のみで演奏されます。
それにより、楽章ごとの音色の変化が際立ちます。
💡 特徴と聴きどころ
- ハ長調らしい力強く明快なサウンド
- 第1楽章の堂々とした冒頭は、まさに“シンフォニー”という趣き
- 第2楽章は対照的に、優美で穏やかな表情
- 全体に簡潔ながら完成度の高い構成
この作品は、モーツァルトが古典派様式に習熟しながらも、
その中に独自の色彩感や抒情性を織り交ぜた、
若き天才の「試みと発見」が感じられる一作です。
🎧 おすすめの演奏
- トレヴァー・ピノック指揮/イングリッシュ・コンサート
ピリオド楽器による繊細な響きが、各楽章の表情を豊かに描き出します。 - カール・ベーム指揮/ベルリン・フィル
重厚さと品格を兼ね備えた演奏。第1楽章の壮麗さが際立ちます。
📝 まとめ
交響曲第16番 ハ長調 K.128 は、
短期間で完成されたにもかかわらず、
構成・旋律・音色の工夫が随所に感じられる完成度の高い作品です。
青春期のモーツァルトが、交響曲というジャンルに自信を持ち、
力強く筆を進めたことが伝わってくるようなエネルギーにあふれています。
その明るさと洗練された書法は、
今もなお多くの聴衆を魅了し続けています。


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