🧒 作曲の背景
交響曲第8番 ニ長調 K.48 は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが1768年、12歳の時にウィーンで作曲した作品です。この年、モーツァルトはオペラ《バスティアンとバスティエンヌ》や宗教曲も次々と作曲しており、交響曲第7番 K.45 と同じく短期間に書かれた作品群のひとつです。K.48 はその中でも特に堂々とした構成を持ち、少年作曲家の枠を超えた力量が感じられます。
🎵 楽曲の構成
交響曲第8番 K.48 は以下の3楽章で構成されています。
1. 第1楽章:Allegro(ニ長調)
華やかで雄大なソナタ形式。序奏のような落ち着いた冒頭から一転して、力強く推進する主部に移行し、若きモーツァルトのダイナミズムを感じさせます。
2. 第2楽章:Andante(ト長調)
落ち着きと気品を備えた緩徐楽章。控えめながらも情感豊かな旋律が流れ、静謐な美しさが漂います。
3. 第3楽章:Molto Allegro(ニ長調)
終楽章は生き生きとした快活な音楽で、主題が巧みに展開されながら音楽が盛り上がり、全体をエネルギッシュに締めくくります。
🎻 編成
• 2本のオーボエ
• 2本のホルン
• 弦五部(ヴァイオリン I・II、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)
• ※一部の演奏ではファゴットやチェンバロが通奏低音として加わることもあります
💡 特徴と聴きどころ
• 全体にわたって堂々とした構成感と流麗なメロディーが印象的
• 第1楽章の静と動の対比、第3楽章の推進力のある展開が聴きどころ
• 若きモーツァルトの内面的な成長を感じさせる、深みある表現力
🎧 おすすめの演奏
• トレヴァー・ピノック指揮/イングリッシュ・コンサート
古楽器による自然な音色とリズム感で、初期モーツァルトの魅力を繊細に表現しています。
• クリストファー・ホグウッド指揮/エンシェント室内管弦楽団
軽快さと透明感に満ちた演奏で、少年期の作品とは思えない完成度を引き出しています。
📝 まとめ
交響曲第8番 ニ長調 K.48 は、モーツァルトが12歳の時に書いたにもかかわらず、構成の確かさと音楽的深みを持ち合わせた傑作です。短い交響曲ながらも豊かな表現と構造美に満ちており、初期交響曲の中でも重要な位置を占める作品です。清新な感性と音楽的成熟の融合が、天才少年モーツァルトの真価を感じさせる一曲です。


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