🧒作曲の背景
この交響曲 ヘ長調 K.19a は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが9歳頃(1765年)に作曲したとされる作品です。
作曲地はオランダ・ハーグで、一家のヨーロッパ旅行中の滞在先で書かれたと考えられています。
ただし、この作品は自筆譜が現存しておらず、現在では「断片」または「疑作」として扱われることもあるため、真作かどうかについては意見が分かれています。
🎵楽曲の構成
K.19a は4楽章構成と伝えられていますが、完全な楽譜が残っていないため、以下は推定または再構成された順序によります。
- 第1楽章:Allegro assai(ヘ長調)
躍動的で晴れやかな序奏。少年期のモーツァルトらしい素直で歌うような旋律が特徴です。 - 第2楽章:Andante(変ロ長調)
落ち着いた雰囲気の中にも優美さがあり、モーツァルト特有の簡潔で自然な表現が光ります。 - 第3楽章:Menuetto – Trio(ヘ長調)
舞曲風で端正なスタイル。トリオでは変化が加えられ、形式美を感じさせます。 - 第4楽章:Presto(ヘ長調)
軽快で快活な終楽章。全体を締めくくるにふさわしい、爽やかな印象を与える音楽です。
🎻編成(推定)
- 2本のオーボエ
- 2本のホルン
- 弦五部(ヴァイオリンI・II、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)
- ※チェンバロが通奏低音として加わる場合あり
💡特徴と聴きどころ
- 自筆譜が失われているため、現代では再構成・推定版が演奏されることが多い
- 初期モーツァルトらしい、明快で表情豊かな旋律が魅力
- 少年期の交響曲ながら、形式感・構成力の高さがすでに見られる
- メヌエットなどには、宮廷的な上品さも漂う
🎧おすすめの演奏
- トレヴァー・ピノック指揮/イングリッシュ・コンサート(古楽器による再構成版)
- **モーツァルト全集録音(Philharmonia Hungarica ほか)**での収録例もあり
📝まとめ
交響曲 ヘ長調 K.19a は、モーツァルトがヨーロッパ旅行中に書いたとされる初期交響曲のひとつであり、失われた作品のひとつでもあります。
たとえ真作かどうかに議論があるにせよ、若きモーツァルトの才能のきらめきを感じ取れる貴重な断片であり、彼の初期様式を知るうえでも注目すべき作品です。


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